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「ん……」

 柔らかな唇が性器に触れ、私を飲み込んでいく。その美しい顔にグロテスクな肉を埋める淫靡な光景に、身体の深いところからぞくりと熱が込み上げてくる。

「ふ……く……はあっ……」

 根元に手を添え、アルベルはそのままゆっくりと頭を動かし始めた。

「ん、ちゅ……。はあ……っ、んん…………」
「っ、……」

 ちろちろと鈴口を舐める舌使いにどきりとする。慣れているのだと分かった。マジョラムのぎこちない舌先とは違う迷いのない唇と舌の動きが私を確実に高めていく。

「ふ、っ…………」

 吐息を漏らした私を上目遣いで見上げ、目を細めて笑う。その穏やかな微笑も、この状況では淫猥な媚笑に映る。
 アルベルは口を大きく開き、私の勃起した肉棒を根元まで咥え込む。紫色の陰毛がすらりと通った鼻筋にかかる。そのコントラストが欲望を誘う。この美しく優しい人にこんな淫らな事をさせているのだ。

「ふう、ん……。……は、あ……っ、……」

 ぐちゅぐちゅと音を立てながら彼の唇が私を責め立てる。

「っは、はあ……っ、……は」

 それ以上見ていることができず、目を閉じて快楽に身を委ねた。暗闇の中で彼の口内の感触を、唇を、吐息が伝わってくる。今まで経験は何度もあるが、そのどれとも違う、ゆっくりと高まっていく快感に身体を震わせる。いいように犯されるだけの父とも違う、拙くて頼りないマジョラムとも違う。上手いけれどそれだけではない。私を感じさせようとしてくれているのが分かる。

「く、ふ……っ、…………」

 

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